2016年12月23日

イタリアの憲法改正の国民投票 〜その2〜

          イタリアの憲法改正の国民投票〜その2〜

レンツィ首相が提案した憲法改正案はネットで公表されており、プリントアウトしたところなんとA4版で22ページになった。私の経験では、日本語をイタリア語に翻訳するとページ数が約1,5倍になるから日本語でも15ページ位にはなる長文である。
この憲法改正法律は2016年4月18日に公布されて、12月4日に国民投票というのであるから、国民が熟知する期間としては短いのではないかとの疑問があるところではある。

イタリアの憲法の条文は全部で139条あるが、今回の改正案では、国会の章の55条から始まって、57条、59条、60条、63条、64条、66条、67条、69条、70条、71条、72条、73条、74条、75条、77条、78条、79条、80条、82条、大統領の章83条、85条、86条、88条、内閣の章94条、96条、97条、99条、州・県・コムーネの章114条、116条、117条、118条、119条、120条、122条、126条、憲法保障の章135条が改正の対象になっており、統治機構全般に及んでいた。

改正の一番大きなポイントは、立法機関の「両院制」「二院制」の変更である。

二院制は世界の多数の国で採用されており、日本でも衆議院と参議院として「二院制」が採用されているのは周知のとおりである。ただ、世界の制度を比較する上で、国民の選挙によって組織される議院は通常「下院」と呼ばれ、そうでない方を「上院」と呼ぶのが普通である。そのため、ここではイタリアについても「代議院(カメラ)」を「下院」、「元老院(セナト)」を「上院」と呼称することにする。
ところで、2院の関係については、日本では両院は対等ではなく、衆議院の優越性が認められている。例えば、憲法69条では「内閣は衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない」として内閣に対する信任・不信任の決議権が衆議院のみに認められているし、憲法60条では「予算はさきに衆議院に提出しなければならない」と規定されている。また法律案については憲法59条で「衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案については、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる」とされており、同様の規定は予算の議決(60条)や条約の国会承認(61条)などについても衆議院の優越的地位が認められている。

ところがイタリアの憲法には、そのような条文が存在しない。
 例えば、70条では「立法権能は両議院が共同して行使する」と規定し、また72条では「1議院で提出された法律案は、その議院規則の定めに従い、委員会で、次いで本会議で審議される。本会議は法律案を逐条採決し、最後に法律案全体の表決を行う。」というような規定がある程度である。つまり下院と上院の間で、議決結果が異なった場合の調整規定が存在しない。
 レンツィ首相は、このことを「法律案がピンポンのようにいつまでも両院の間を行ったり来たりする。このようなシステムは世界中でイタリアにしかない。」として、まさにこのシステムが政治の決定を遅らせているとし、さらに戦後70年間に政府が63回も交代するというような不安定な政治状況を作ってきたのだと主張した。そのためレンツィ首相の提案の中心は、「完全に対等な二院制」を廃止することであった。
具体的にどのような改正案を提案したのか、一部についてではあるが、見てみたい。

イタリア憲法55条
 この条文は「第2部 共和国の組織 第1章 国会 第1節 両議院」という節の最初の条文で、現行憲法では「国会は下院と上院で構成される。国会は憲法で定める場合にのみ、両議院の議員の合同会議を開く」と規定されている。
この条文についての改正案は次のとおりだった。

「・国会は下院と上院で構成される。
 ・下院での選挙手続を定めた法律は、代表者における女性と男性の間にはバランスを促進する。
・下院の各議員はイタリアの国を代表する。
・下院は、政府との信頼関係において正当な資格者であり、政治を方針付ける権限、立法権限、政府の執行を監視する権限を行使する。
・上院は地域団体を代表し、上院と共和国の憲法上の他の団体との関係において権能を果たす。憲法により定められた手続によりそれらの事柄において立法権限に参加する。さらに国家や憲法上の他の団体とヨーロッパ連合との間における連絡をとりもつ権限を行使する。形成や規則の実行、ヨーロッパ連合の政治的な実行に対する直接的な決定に参加する。公共の政治や行政の政治的な活動を評価する。その領域におけるヨーロッパ連合の政治的な影響を確認する。法律により予測された場合について政府の権限を任命することについての意見を表明することや、国の法律の実行の確認することに対して協力する。 
・国会は憲法で定める場合にのみ両議院の議員の合同会議を開く。 」

誤訳もあると思うが、それを前提にしても、上院の権限であるところの立法権が大きく制約された存在になることは明らかである。私としては、レンツィ首相は実質的な一院制を目指していたのではないかと思う。

 イタリア憲法57条
 現行憲法では、上院の選挙方法などに関する規定であり、「州を基礎として選出される。定数は315、但し、そのうち6は海外選挙区」、などと規定されている。
 ところが、改正案は「上院は、地域の代表者からなる95議席と、大統領の任命による5議席によって構成される。」などというものだった。
つまり上院の議席数315を100に減らすが、上院議員は国民による選挙を経ないということであり、まして5議席は大統領が任命することができるというのである。
このような選出方法は国会議員の通常の選出ではないと思われる。
 
イタリア憲法60条
 この条文は議員の任期に関する規定で「下院上院の任期は5年とする」とされているが、改正案では、下院のみに適用されることになり上院の議員は、除外された。

 イタリア憲法70条
 この条文は、「第2節 法律の制定」の節の最初の条文で「立法権能は両議院が共同して行使する」と規定している。
この条文の改正案は次のとおりである。
「・以下の法律については、立法権限は下院と上院によって共同して行使される。
  憲法改正法律、憲法に関連する他の法律
   言語上の少数者を保護するもの、国民投票、71条の国民審査の別の方法に関する憲法の要求する法律の策定、
   大都市とコムーネにおける組織・選挙法・地方機関及び基礎的な権限について決定する法律とコムーネの合併を形作る基礎的な支持
   ヨーロッパ連合の政治と法律を定め及び実行することについてイタリアの参加についての一般的な規則及び方法と限界を定める法律
   憲法65条第1項によって上院の被選挙権の欠格及び兼職禁止についての決定。
   そして次の法律:57条第2項、80条第2文、114条第3項、116条第3項、117条第5項及び第9項、119条第6項、120条第2項、122条第1項、132条第2項。
   それぞれの内容により、これらの法律は廃止、当該項の規範に適応された法律によって改正もしくは委任されることができる。それは新しい法律によってのみできる。
 ・以上の以外の法律は下院によって制定される。
 ・下院によって制定された各法案は直ちに上院に回付される。
  上院は10日以内に、その議員の3分の1の要求があれば、検討するかどうか決定することができる。
 ・次の30日のうちにおいて上院は法案の修正の提案を決定することができる。
  その訂正の提案について下院が確定的に決定する。もし上院は検討を始めることを決定しない場合には、もしくは決定するための期間を徒過した場合には、または下院が最終的に確定的に決定した場合には、法律は発効する。
 ・117条第4項によって策定された法律を上院が検討することは、それを受け取ってから10日以内に決定されねばならない。その法案に関しては上院の全議席の過半数によって提案された修正案に対して、下院は全議席の過半数によって最終決定により同意しないことができる。
 ・下院によって適用されたところの81条第4項の法案は上院によって検討され、下院から与えられた日から15日以内に修正案を決定することができる。
 ・上院及び下院の議長は協議の上、それぞれの議員規則に従って、権限の問題を提起することを決定する。
 ・上院は、その規則によって予想されるところに従って、下院の活動及び資料について論評することができる。 」

誤訳は間違いなくあると思うが、この70条は、現行ではたった1行であるにもかかわらず、改正案は非常に長く、意味不明な箇所も多い。私としては、どうしてこんな冗長憲法案にしたのかと疑問に思う。

以上あげた条文の他に、多くの重要な条文が改正対象とされているが、上院から立法権限を奪ったことにより、「国権の最高機関」とも言うべき立法府の権限を半減させたことは明白であろう。
 すでに述べたようにイタリアでは大統領も内閣総理大臣も選挙による民主主義的な手続を経ないのであるから、このように実質的に一院制にすることはイタリアの民主主義にとって良いことなのか、という大きな問題をもたらすのである。

実際2016年6月頃から憲法改正案については反対意見が強くなり、否決される観測がすでに出ていた。このためもあり、中道左派の民主党の一部、中道右派のベルルスコーニなど、極左、極右、5つ星運動など幅広い層から「NO」を突きつけたのであった。

 ところで、このように二院制を廃止して、実質的に一院制を採用するという憲法改正案は、実は、レンツィ首相が初めて提案したわけではない。
2006年6月には憲法改正のための国民投票が行われたが、このときの憲法改正案は、ベルルスコーニ内閣が2003年に上院に提案し、2005年に下院で可決されたときの国民投票である。ところが2006年の総選挙で中道左派のブローディが勝利して政権交代があっため、結局、国民投票では反対が61.3%を占め、否決された。
このときベルルスコーニが提案した憲法改正案は、首長公選制などの提案もあったが、その一つが完全に対等な二院制の廃止であり、立法権限や首相との信任関係は下院のみにし、上院は州などの代表者にして国と州の関連事項の審議のみにするという案だった。これによりベルルスコーニは強い政府を作ることを目的としていたのである。
10年前に中道右派のベルルスコーニ首相が提案した「完全に対等な二院制を廃止する」という憲法改正案が、その10年後に中道左派とされるレンツィ首相によって再び提案されるという政治的状況を、どのように考えるのか、悩ましい問題である。しかし反対60%という結果を見る限りイタリア国民の民主主義についての意識にはブレがなかったと言えよう。

弁護士 渥 美 玲 子
posted by 金山総合法律事務所 at 10:14| イタリアの風

2016年12月13日

イタリアの憲法改正の国民投票〜その1〜  

          イタリアの憲法改正の国民投票〜その1〜
 
2016年12月4日、イタリアで憲法改正の是非を問う国民投票が行われた。投票率は65.47%、結果は「反対」が59.11%、「賛成」が40.89%で否決された。20州の中では、トスカーナ州、エミリア州、トレンティーノ州のみが「賛成」で、それ以外の州では「反対」が過半数を制した。
首相のマッテオ・レンツィ氏は、以前から「この投票は自分に対する信任投票であるから、もし否決されたら辞任する」と公言していたこともあり、選挙結果が明らかになった12月5日に辞任を発表した。
その後のイタリアの政局や市場については新聞報道のとおりであるが、私としては、今回レンツィ首相が政治生命を賭けた憲法改正の提案内容について、少し考えてみたい。

まず、イタリア共和国憲法(以下、単にイタリア憲法という)では、改正手続は次のようになっている。なお、イタリア憲法の訳については、「解説世界憲法集」(三省堂)を参考にした。

憲法138条
「憲法改正法律及びその他の憲法的法律は各議院において少なくとも3ヶ月の期間をおいて引き続き2回の審議をもって議決される。そして第2回目の表決においては各議院の議員の過半数によって可決される。
 前項の法律はその公布後3ヶ月以内に1議院の議員の5分の1、50万人の有権者または5つの州議会からの要求があるときは、国民投票に付される。国民投票に付された法律は有効投票の過半数で可決されない限り、審議されない。
 第1項の法律が各議院の第2回目の表決において、その議院の3分の2の多数で可決されたときは、国民投票は行われない。」

 「各議院」とは、「代議院」(下院のこと、カメラと呼ばれている)と「元老院」(上院のこと、セナトと呼ばれている)の2つの議院をさす。レンツィ首相の憲法改正案は、この条文に従って手続が進み、2016年4月12日に下院で再度可決され、4月18日に憲法改正法律として公布された。その後、憲法裁判所によって、国民投票に必要な50万人の署名が有効であると認められた。
ところで、今回の投票はあくまでも憲法改正の是非を問うものであったにもかかわらず、レンツィ首相は「自分に対する信任投票だ」と位置づけたが、なぜ、その必要があるかは、日本人には少し分からないところがあったように思う。

日本の首相つまり内閣総理大臣は、日本国憲法67条で「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。」と規定され、またその他の大臣については憲法68条で「内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は国会議員の中なら選ばなければならない。」とされている。
 このような内閣と国会に関する制度は「議院内閣制」と言われ、「権力分立の要請にもとづいて行政権と立法権をいちおう分離したのちに、さらに民主主義の要請にもとづいて行政権を民主的にコントロールするために設けられた制度であって、ここでは自由主義の原理と民主主義の原理が交わっている。議院内閣制とは国会と内閣との関係において国会に内閣の存立を左右するほどの優位が認められ、内閣の成立と存続とが、国会の意思に依存せしめられている制度をいう」とされる(憲法T 清宮四郎)。

ところがイタリアの首相はこのような選任手続を経ない。
 イタリア憲法92条では、「大統領は内閣総理大臣を任命し、さらにその提案に基づき各大臣を任命する」と規定しているが、イタリアにおける大統領は、例えばアメリカ合衆国におけるように国民の選挙によって選任されるものではない。
 イタリア憲法83条では「大統領は国会議員の合同会議において選挙される。」と規定し、しかも大統領の被選挙権についてイタリア憲法84条では、「50歳に達し、市民権および参政権を有するすべての市民は大統領に選挙されることができる」と規定しており、国会議員であることを要件とはしていない。
大統領から任命された後については、イタリア憲法94条では「政府は両議院の信任を有しなければならない。政府は成立後10日以内に両議院に対して信任を求めなければならない。政府の提案に対する1議院または両議院の反対表決は政府の辞職の義務を伴うものではない。」との規定があるが、国会との関係は薄く、民主主義的性格は弱いものと言わなければならないだろう。
 つまり、イタリアの内閣総理大臣は、国民から選挙されることのない大統領から任命されるだけの存在なのであるから、国民の信任がないままで就任するのである。国民からみれば、国会議員を選挙で選ぶ機会が保証されているに過ぎず、その後、誰が大統領になるか、誰が内閣総理大臣になるかは、まったく関知しないところで決定されるのである。イタリア国民とすれば「レンツィ?それ誰?」という感覚なのであろう。ちなみに、レンツィ氏は2014年2月にナポリターノ大統領から任命された当時、フィレンツェ市長で、中道左派民主党の書記長だった。

さらに日本の首相とイタリアの首相とは大きな違いがある。
日本では内閣総理大臣は慣例上、衆議院議員である。衆議院議員の任期は憲法45条で「衆議院議員の任期は4年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に修了する」と規定されているから、長くても4年後には任期満了に基づく総選挙によって国民の信を問い直すことになる。また、内閣総理大臣が国政における重要課題について国民に信を問う場合には、憲法7条および69条により衆議院を解散することができるから、解散総選挙により国民の信を問うことになる。
他方、イタリアでは内閣総理大臣の任期も国会の解散権もないので、国民の信を問う機会がない。そのため行政の長として、国政の重要課題について国民の信を問う手段としては「国民投票」という方法しかない。イタリアでは頻繁に国民投票がおこなわれるが、その制度上の背景は上記のようなものと思われる。このためイタリアの国民投票制度は、「おうおうにして対立する政党間の政争や駆け引きの場になる」と言われている。
なお、国会に対して解散を求めることが可能なのは、内閣総理大臣ではなく、大統領であって、イタリア憲法88条には「大統領は、その議長の意見を聞いて、両議院またはその1議院のみを解散することができる。大統領は、その任期の最後の6ヶ月間は、前項の権能を行使することができない」と規定されている。

今回のレンツィ首相の憲法改正案には、国会の権能を弱くする提案があるが、まさにそのことが、国民の選挙による信任を得ずに首相になった者に対する不信感として表れたのではないかと思う。ただし、レンツィ首相が敗北したとはいえ、40%の支持を得たという事実も見逃すことはできないのであって、今後のイタリアの状況は予断を許さない。
                                              以 上
                            弁護士 渥 美 玲 子
posted by 金山総合法律事務所 at 12:43| イタリアの風

2016年12月01日

刑事訴訟法等の一部改正

         刑事訴訟法等の一部改正 
                   〜盗聴拡大と司法取引
                                             
 平成28年5月24日に国会で刑事訴訟法等の一部を改正する法律が成立しました。これにより、通信傍受法(盗聴法)が拡大され、司法取引の制度が導入されることになりました。

今回の改正の発端となったのは、大阪地検特捜部の証拠改ざんが発覚した厚労省村木裁判のえん罪無罪事件でこの件は当時マスコミでも大きく報道されました。
 事件後、えん罪防止の観点から捜査の在り方について見直しの必要性が指摘され、約4年の歳月をかけて改正にいたったものですが、えん罪防止の方策はごく一部に留まり、逆に、新たな捜査手法として「盗聴の拡大」や「司法取引」を導入するなど、警察・検察の「焼け太り」と批判されています。見過ごせないのは、これによって新たなえん罪を作り出しかねないという、大きな問題を含んでいることです。

 えん罪防止のためには、日弁連などがかねてから強く主張していた取調べの可視化(録音・録画)が不可欠ですが、今回の改正では、裁判員裁判対象事件と検察独自捜査事件に限定されて導入されました。これは全事件の3%に過ぎません。

 他方で、証拠収集手段を多様化するとして盗聴法の対象が拡大されました。今までは、薬物・銃器犯罪、集団密航、組織的殺人の4種類しか認められていませんでしたが、組織性が疑われる詐欺、窃盗、恐喝、逮捕監禁など9種類を追加し、比較的軽微な犯罪にまで大幅に盗聴の範囲が拡大されました。
 そもそも盗聴は、憲法で保障された通信の秘密やプライバシー保護を侵害するもので、濫用の危険性が極めて高いものです。今回の改正では、これまで盗聴の要件とされていた通信事業者の立ち合いを不要としており、濫用をチェックする歯止めが極めて不十分な仕組みになっています。

 また、司法取引も非常に問題が大きいものです。今回導入された司法取引は、自己の犯罪を申告するのではなく、他人の犯罪について供述などの協力をすることと引き換えに、不起訴や刑の軽減をするというものです。ですから、自分の罪を軽くするために他人に罪をなすりつける虚偽供述のおそれがあり、えん罪を新たに作り出す危険性をもっています。この司法取引には弁護人の同意が条件とされていますが、自分の依頼者が他人に罪をなすりつける虚偽供述をしているのかどうかまでチェックし、その可能性があれば依頼者の意に反して司法取引を拒否できるのか、弁護人としての立場を考えると、極めて疑問といわざるを得ません。

 今回の改正では、国選弁護制度を全勾留事件に拡大し、証拠開示の対象に証拠目録を追加したほか、保釈許可の考慮要素(逃亡や罪証隠滅のおそれの程度、被告人の健康上・経済上・社会生活上・防御の準備上の不利益の程度)を明文化するなど、被疑者・被告人の防御権に配慮した内容も盛り込まれています。しかし、それにもまして、盗聴法の拡大と司法取引の導入は、大きな問題をはらんでいるといわなければなりません。
                   弁護士 山 下 陽 平
posted by 金山総合法律事務所 at 15:19| 法改正